C値(相当隙間面積)のザックリな説明です。
簡単に言えば「完成した住宅の隙間の大きさの指標」です。
※工事中に測定した気密性能値はオフィシャル値ではありません。
もう少し詳しく知りたい方は以下をどうぞ
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専門用語で言えば「防湿性能」(潜熱の断熱性能)と「漏気量」(隙間風)の指標です。
C値の数値が何かと言えば気密測定床面積(S)1㎡あたり何平方センチの隙間があるかこれがC値です。
そんな指標が何故必要かと言えば隙間風が入らない「快適な住宅を造る為の品質管理」の為です。
具体的に言えば
高断熱住宅を建てる→暖房が良く効く→暖まると乾燥する→加湿をする→気密(防湿)性能が低いと水蒸気が漏れやすい→加湿しても湿度が上がりにくい→加湿量を増やす→漏れた水蒸気が壁中で冷やされ水滴になる→或いは屋根の野地合板で水滴になる→断熱性能が低下→断熱材が常時湿る→カビの発生→住人の健康被害、暖房費の上昇 これを防ぐ為です。
以下はC値の計算方法です。
①気密測定床面積(S)=家の体積(外皮内容積)÷2.6
※延床面積ではありません。
②C値=総隙間面積÷気密測定床面積(S)
※総隙間面積は気密測定をする事で求められます。
気密測定では送風機を利用して建物内を減圧し10Pa毎に50Paまで5回送風機の手前の筒を毎時何㎥通過したかで漏気量を測り、9.8Pa時に 通過した量に係数凡そ0.7を乗ずるとその建物の総隙間面積が計算できます。(実際はこれに現地の温度を測定し温度補正係数を乗じます)
③例えば
40坪の家は床面積132㎥です。これに天井の高さ2.4mを掛けると家の体積が求められます。
この家の体積は316.8㎥(立法メートル)と言うことになります。
この316.8㎥を2.6で除した数値を「気密測定床面積(S)」と言います。
この家の気密測定床面積(S)は121.85㎥となります。
C値を求めます。
送風機による気密測定の結果この家の総隙間面積が20㎠(平方センチ)あったとすると
C=20㎠÷121.85㎥ です。
この家のC値は0.16㎝/㎡と言うことになります。
気密測定床面積1㎡あたり0.16平方センチの隙間があると言うことです。
下の図を見ての通り40坪の家でC値0.1と2.0の家では隙間の面積にこれだけの差があります。
C値2.0になりますと自然給気口が4つか5つ余計に付いているのと同じですので冷房も暖房も効きが良くありません。
ここからは余談です。
実際は家の隙間は気密測定で測った隙間だけではありません。
そのひとつはトイレの換気扇です。換気扇は止まっているとタダの穴ですので普段は家の隙間です。
トイレの換気扇の出口が冬の北風や西風に向いている家ではまともにここから風が浸入してしまいます。
(面積はベンテックガラリ カタログ参照値)
24時間換気システムとしてこのトイレの換気扇を24時間運転させて換気システムとして利用している家も少なくありません。
このトイレの換気扇は24時間運転しなければならないので名目上の電力消費を減らすために逆風に脆弱な”小型プロペラファン”の換気扇を取り付ける設計者が多いです。
結果として風の強い季節はこれらの換気扇は殆ど給気口になってしまうお宅が多く、特にキッチンの換気扇をつけるとトイレの換気扇は給気口になってしまいトイレの空気がキッチンに集まってきます。
続いてキッチンの換気扇(レンジフード)です。
レンジフードにはが逆風防止の弁が付いていますが油がこびりついて閉まったままにならないように隙間を空けて設計してあります。
ダクトの周囲5㎜程度の隙間として計算しますとこのくらいの隙間が空いています。
続いて自然給気口 リビング+寝室3部屋に1個毎で合計4個で計算しますとこのくらいです。
(ベンテックガラリ カタログ参照)
フィルターが汚れると気密が良くなったような気がしますがここは通気性を確保しないと換気になりません。
ここが目詰まりをしているとトイレの換気扇や窓の隙間・コンセント等入ってきてほしくない隙間から室内に風が流入しやすくなります。
気密測定で計測した家の躯体の隙間と換気扇等の実質的な通気可能な隙間を合計するとこんなかんじですが、これでは解りにくいですね。
解りやすくするとこんな感じです。
この給気の青と排気の緑の穴がきちんと換気経路として働いていれば意味のある隙間ですが強風などの外的要因でただの漏気箇所になってしまうのはもったいないですね。
C値が0.1の場合は換気に必要な隙間以外ほどんど有りませんね。しかし折角施工精度を上げてC値を0.1に施工しても排気が逆流したりその逆もあったり換気の設計が雑ですと躯体の性能が台無しです。
隙間の無い高性能な躯体を生かす方法はあるのですが、この話の続きはまた今度 (2020/12/05)