続き 家庭部門のCO2排出を66%減らす為に

 

次に思いつくのは太陽光発電です。今や最も安価な発電設備になりました。

下のグラフは太陽光発電を搭載した住宅の発電・売電・買電の各年の内訳です。

兎に角、家庭部門は暖房時期の12月と1月の買電量が突出しています。皮肉にも発電量が比較的少ない時期に最も電力を必要とします。暖房もですが給湯と保温も冬季は電力を沢山使います。

この家は太陽光発電の余剰電力を1kwあたり37円で買い取ってもらえますので冬に沢山電気を使ってしまっても他の季節に余剰分を買ってもらう事で経済的には負担になりません。

自分が使う分は1kw25.8円で買えるので沢山売った方が得します。更に深夜電力は17.78円で買えますので深夜電力を上手く使う方法を考えた方が経済的にはお得です。

 

しかし、この買取制度は太陽光パネル設置後10年間です。その後は8.5円~11円の買取です。

売るのは8.5円で買うのは25.8円となれば売れば売るほど損になります。自用で使わなければなりません。

今年、太陽光パネルを新設しても買取価格は19円です。スタートから自分で使わなければ損です。

 それではどうやって自家消費をするか?

自家消費をする方法のひとつは太陽光発電を利用してお湯を沸かすことです。

今まではエコキュート(ヒートポンプ式給湯システム)を深夜電力を利用して沸かし、昼間は発電した電力と買った電力で夜まで保温してお風呂で使っていました。

元々、明け方に沸かして夜、お風呂で使うのは保温の電力が無駄なので太陽光発電で発電できる時間帯にエコキュートでお湯を沸かしお風呂で消費するほうが理にかなっています。

それなら太陽熱温水器で良いと思う方も多いと思いますが、その通りで熱は熱のまま使うの方が効率が良いです。

今後自家用車を持つ必要が無ければ太陽熱温水器と都市ガスの組み合わせも排出量を大きく減らせます。

しかし電気は給湯以外にも使えますので便利です。太陽熱温水器と両方の設置もありだと思います。その場合は太陽光発電パネルの枚数を少なく出来ますし、補助的なガス又は灯油ボイラーで済むのでイニシャルコストも思ったよりもかかりません。設置するにあたって自家用での太陽光パネルは南西向きがベストになります。午前中や正午に沢山発電してもあまり使い道がありません。発電の総量よりも使う時間に発電させることの方がが重要です。 
下のグラフの通り明け方お湯を沸かしていますので青い線の買電とグレーの発電のピークがずれていますので14時から15時の間にお湯を沸かしてピークを持ってくると発電した電気が無駄なく使えます。オレンジ色の売電のの部分は数年後にはたったの8.5円で売られてしまいます。

それでは太陽光パネルで発電した電気でお湯を沸かすとどのくらいCO2が減らせるかといえば370ℓタンクにお湯を沸かすのに約5.5kw消費しますので365日にすると2007.5kw使うのでその分そっくり減らせたと言いたいところですが、毎日晴れる訳ではありません

この地域の過去12年間の平均日照時間比率は48%(気象庁データ)でしたのでザックリ0.48を掛けると963.6kwでCO2換算すると年間425㎏CO2減らせる事になります。(実際は曇りでも発電しますのでもう少し減らせます)灯油に換算しますと171ℓ分です。

 

給湯とは関係なく太陽光発電パネルを設置したことで2017~2020年の4年間平均2130kw電気を買わずに自家用で使えています。(実測値)この自家用分でCO2排出量年間939㎏減らせた事になります。

 将来の給湯の分と合算すると年間で425㎏+939㎏=1364㎏減る計算です。
売電分も再生可能エネルギーを市場に供給したという事で排出削減量にカウントしたいところですが電気に色や名前が付いている訳でもなく実際にこの家で造られた電気がどこかで使われたと証明が出来ませんのでカウントしません。

 太陽光発電のパネルの製造過程で排出するCO2も考えなくてはなりません。これをペイバックタイムと言い設置後約1~3年分の発電は製造過程の排出分の回収として計算します。

製造と発電の収支比率は30年で12倍~21倍とまちまちです。これまでに世界中に大規模なパネル製造ラインを作ってしまったので稼働させないと工場の建設分のペイバック分も不利になってしまうという考え方もあります。