2030年度までに温室効果ガスを13年度比で46%削減する目標達成に向けた政府の地球温暖化対策計画の原案が判明した。家庭部門で66%を削減するなど、目標達成に必要な全部門の削減量を初めて明記した。26日に開かれる政府の審議会で、環境省が原案を公表する。
2030年度までに温室効果ガスを13年度比で46%削減する目標達成に向けた政府の地球温暖化対策計画の原案が判明した。家庭部門で66%を削減するなど、目標達成に必要な全部門の削減量を初めて明記した。26日に開かれる政府の審議会で、環境省が原案を公表する。
上記は2021年7月25日の読売新聞の記事です。オリンピックの最中日本が世界から注目されるタイミングでの発表です。
CO2と気候変動の因果関係については諸説あります。しかし現代は"CO2クレジット"と言われる排出権の取引でCO2を減らした方が利益を得られる社会システムになっています。
メディアやネット等でCO2と気候変動の関係について否定的な論評を耳にしますが、この論評に賛同する企業・団体が増える事でクレジット価格の上振れ圧力になります。その言動は思惑とは反対にクレジットを発行可能なCO2削減に取り組んでいる企業・団体を経済的に支援していることになります。
アメリカの電気自動車メーカーのテスラ社は自動車の製造・販売ではなくCO2クレジットの販売で営業利益を確保してきました。日本でもJクレジットと呼ばれる取引が行われています。カーボンブライジングの制度設計が強化されいく傾向にあります。
本題の家庭部門のCO2の排出についてですが、殆どの家庭ではどのくらいCO2を排出しているかなど調べた事も無いと思いますので簡単に計算できるシートを用意しました。
興味のある方は下のエクセルのシートに電気の使用量や灯油・ガス・ガソリン量を入力して計算してみましょう!
新聞のお題は「温室効果ガス」とありますが、家庭ではCO2以外のフロンやメタン等その他の排出は殆ど無いのでCO2のみで記述します。
例年の自分の排出している概算のCO2の排出量は把握できたでしょうか?少し罪悪感の様なものを感じてしまった方も多いと思います。
2013年の1人あたりの年平均CO2排出量は1590㎏でしたので単純に66%を引くと排出可能枠は年間540㎏になってしまいます。
1日1人あたりに与えられるCO2排出量の枠は1.48㎏です。
電気に換算すると1人あたり1日3.36kwの割り当てです。浴槽を満タンにするお湯を沸かすには足りません。一人暮らしでは毎日自宅のお風呂に入る事が難しくなります。
水道の利用やごみ処理もそれぞれCO2を排出されますのでこの分を差し引くと使える電気は更に少ないです。
灯油は1ℓ燃焼させると2.32㎏のCO2を排出しますので1日あたり0.64リットルの割り当てです。
具体的な数字を算出してみて初めてこれは大変なことだと気づいた方も多いと思います。
ある程度の断熱性能を確保した住宅でなければ寒冷地の方は暖房もままなりません。
寒冷地に住んでいる人の為に温暖地に暮らす人たちは更に削減しなければなりません。
元々、日本の家庭は暖房もあまりせずに我慢して生活していますのでこの目標はかなりハードルが高いです。
下のグラフを見るとドイツやアメリカは元々沢山エネルギーを使って生活している様なので減らせそうです。
CO2クレジットを買うしか無いのでしょうか?(お金で解決)
それでは、具体的に何をすればCO2は減らせるのでしょうか?
過酷な我慢を強いる省エネ生活ではなく新しい技術の導入で今よりも快適で便利な省エネ生活を目指しましょう。
そうでなければ続きません。